奪還
読めば読むほどに憤りを感じずに入られない。本当に日本は無能国家なのだ。と、同じ国の一員として情けなさに悔しくなる。どうしてこうも日本は外交においてどこの国からも舐められて平気なのか。常日頃から思っていることだが、自分は「日本という文化や風土」に強い愛着を持ってはいるが、「日本という国家」には一遍の魅力も感じていないのだ。あらためてその思いを強くしたのだった。
もうひとつ興味深かったのは、拉致被害者が帰国したときに自分が想像した、十年にわたる拉致生活の中での洗脳に対する不安や戸惑いが率直に書かれていたこと。単によかったよかったではない、リアルな戦いがそこにはあったのだ。そのような個人としての戦いを知るにつけ、国家の無策が浮き彫りになるのだった。
しかし、そういう自分も所詮は傍観者的な感覚でしかない。傍観者は加害者に等しいという言葉がある。それは実に正しい。その意味において自分も大いに反省しなければならない。
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奪還―引き裂かれた二十四年 著者:蓮池 透 |
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