涼宮ハルヒの憂鬱
思ったよりも面白かったのは、おもいきりベタなバカ設定の大風呂敷っぷりにもあるが、そして、語り手たるキョンのシニカルっぷりにもあるが、なによりも自分が、ああなるほどと思ったのが、この作品が実は普通(でもないか?)の学園小説である点だろう。云い換えると、主観的な自分像と客観的な自分像のアンマッチにじれる自意識過剰と、まだ人生は長いとばかりに結論を留保するモラトリアムな空気感。これまさに青春ナリ(?)。
異常なキャラの平凡な日常という観点で云えば究極超人あ~るの系譜なのかもしれないが、あそこまでぬるま湯的ではないのは、時代のせいかのかもね。
でも自分としては、これは朝比奈みくるのプロモーション小説である! とそう断言させていただくよ。みくるはいいねっ! 小雨の中の子犬のような親とはぐれた雛鳥のような、けなげで天然な天使様。とりあえず絵づらは某天然アイドルを設定して読んだおかげでもう妄想は広がるばかりですよ。萌えキャラじゃあないですよ、自分としては! まあ、そういう意味において、ハルヒも某生意気系グラビアアイドルのイメージだったし、つまりは本のイラストを前提には読んでいないわけね。なんだろうね、そういうリビドーをぎゅんぎゅん引きださせる文章力があるってことなんでしょうかね(云いすぎ?)。
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涼宮ハルヒの憂鬱 著者:谷川 流 |
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