たぬきつ!
超期待はずれ!
いろいろと云いたい事はあるが、まず! 話がどうのという前に、無意味なルビふりがとにかく読みづらい。本来の「読み」とは違うルビをふる。というセンスは、四半世紀前に流行った手法なのだが、「今、それがかえって新鮮」なんつーことには勿論ならず、ただひたすら読みにくいだけなのだ。
「会社勤めのおねーさん」に「キャリアウーマン」と、ルビをふる意味はあるのか?
「合議制を維持して運営して」に「よりあつまってうごかして」と、ルビをふる必要は果たしてあるのか!?
そんなルビふりになんの効果があるというのだろう。小賢しいし五月蝿い。事程左様に全編がそんな感じで、とにかくリーダビリティを削ぐこと殺ぐこと夥しく、正直腹が立ちました。
てな感じで、ストーリーに集中できなかったせいもあったのだろうか、話自体のアラにも気づきまくりなのだ。とんでもない状況をあっさり受け入れる叔父さん。とか、非常識な教師の無駄な決め付けとか、話を強引に進めるためのご都合主義な展開にはげんなりする。
重要な設定を説明科白で進めてしまう安直さも鼻につく。むしろ地の文で説明してしまったほうがなんぼかマシなのでは。
主人公が狸に狐だから牧歌的ってことなのかもしれないが、言い換えれば底が浅いだけ。ステレオタイプで、新鮮な驚きはなにひとつなかった。
一応フォローしておくと、文体とかストーリー構成とかは、自分は是とするそれとは真逆に違っていたということなので、こういうタイプのお話が好きな人には楽しめるのかもしれません。
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たぬきつ!(1) 著者:秋津 透 |
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コメント
> 本来の「読み」とは違うルビをふる。というセンスは、
あー、それは秋津透の常套手段だからねー、秋津透の本を手に取った以上、当然そうであるはずで。
女王陛下シリーズだっけ、あれは結構好きだったけれど、センスがちょっと古くさい気がするんだよね・・・
投稿: Cherryh | 2006年3月21日 (火) 01時15分
秋津透は初読だったのですが、そーゆータイプだったんですねぇ。近々、第2巻が出るようですが、自分はご遠慮するつもりです。
投稿: 管理人 | 2006年3月21日 (火) 12時32分