トリツカレ男
不覚! 泣いてしまった、電車の中で。
小さな小さな物語である。器用なくせに不器用な二人の愛の物語である。ほんの小さなエピソードが積み重なって結びつき合って、ひとつの(小さいくせに)大きな大団円となる。生きていくって、大変だけどステキなことなんだな、と本当にそう思えたんだ。
だから、通勤途中の電車の中で泣いてしまったことは、まあ恥ずかしかったけれども、嫌な気分ではなかったよ。
いまさら自分が云っても「遅いよ」なんだろうけれど、とにかく一読することをお薦めする。
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トリツカレ男 著者:いしい しんじ |
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コメント
読むと泣くよ、って警告しておいたのに。
この本はしょうがないです。
別に恥ずかしいことではないでしょう。
いしいしんじは長編よりこれくらいのボリュームがいいね。
短編の切れ味がいいんですよ。
最新刊の「雪屋のロッスさん」はオススメです。
投稿: 長丼 | 2006年3月28日 (火) 19時24分
そうですね。寓話色が増すというか、象徴性が増すというか、ね。
テクニック的には、章の〆を「ナニナニをした」ではなく、「ナニナニをする」という現在形の文体で終えるところが、切れ味、雰囲気づくりに作用していますよね。
投稿: 管理人 | 2006年3月28日 (火) 23時32分