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2006年2月20日 (月)

狼と香辛料

具体的にどこがと指摘できないのだが、どことなくギクシャクしているような感じがある。交渉シーンはいいのだが、そのからくり自体はあまり上手く説明しきれていない気がする。そしてなにより、主人公とヒロインの関係の変化(迷惑から信頼、そして愛情へ。という定番のそれだ)がこの作品の一番の萌えシロになるべき部分なのだが、それが今ひとつストレートに伝わってこないせいかもしれない。別に文章がヘタというわけでもないのだけれどね。むしろチャカついていないし、理路整然としているし、整っていると思うのだが。まあ若書きなのだろう。

だが。
発想は実にいい。凡百の「剣と魔法だからファンタジーだ」的な安直さではなく、オリジナルの世界(この作品の場合は若き商人の頭脳戦)を描き出そうとしていてそれはかなり成功していると思う。でもって、その駆け引きの妙が縦糸とするならば、上述のふたりの人間模様が(いっぽうは「人間」じゃないけどね)横糸となって、話が展開していく。いいんじゃないですか? 全体を包む雰囲気も叙情的で適度にウェルメイドな仕上がりになっているし。

あえて重箱の隅をつつくとすれば、ヒロインがいかにも「萌えキャラ」ねらいってことがイヤラシイことか? 本来ならあと5才くらい上の年齢設定のほうが話としていいように思うのだが。もっとも、あまり適正年齢に設定しちゃうとライトノベル的には刺激が過剰になってしまうのか。

とりあえず次回(続編ありとみた)にも期待のバディストーリー&旅物語でした。

狼と香辛料 Book 狼と香辛料

著者:支倉 凍砂
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コメント

萌えシロという表現に感動しました。

投稿: IK | 2006年2月24日 (金) 23時07分

お気に召しましたらば活用してください。流行るといいなぁ(笑)

投稿: 管理人 | 2006年2月25日 (土) 00時31分

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» 『狼と香辛料』 [Cherryh's blog annex]
『狼と香辛料』作者: 支倉 凍砂出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2006/02メディア: 文庫 第12回電撃小説大賞、銀賞受賞作。 電撃大賞は安定しているかな。そういう点では、安心して手に取れました。 商人を主人公に据えて、アクションは基本的に人任せ、と、異色の主人公ですが、ヒロインで萌え要素も微かに添えて、ツボはおさえている感じでしょうか。 文章はまあうまくて読み易い。さほど書き過ぎる感じもしない。敢えてケチを付けるなら、自分のこだわりを盛り込み過ぎていて、デビュー... [続きを読む]

受信: 2006年4月23日 (日) 22時32分

» 狼と香辛料(3) [グッドクール総研別棟書架]
3作目ともなるとだいぶ安定感も出てきて、安心して楽しむことができた。主人公と狼神 [続きを読む]

受信: 2006年10月12日 (木) 10時37分

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