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2006年2月16日 (木)

イグ・ノーベル賞

あくまもでも実学であって嘘学ではないのだが、誰も思いつかないような(思いついても普通はテーマになんかしない)仮説に対する論理的なアプローチという部分がシンパシーを感じずにはいられない。

科学する心の本質とは、興味を持ったことに対する探究心であって、何かの役に立つために研究するというものではない。つまり「面白いと思う気持ち」が大事ってことなのだ。だから、その命題がどんなにおちゃらけてたとしても、仮説・実験・検証という論理的なアプローチを行い、結論を出しているのであれば、それは優れた研究であるといってよいのだ。

イグノーベル賞は、一般的にはバカバカしい研究に対してのツッコミであるように思われているようだがそれはまったくの間違いで、純粋な科学する心に対する称賛であり、遊び心なのだ。おそらく誤解されるひとつとして、疑似科学や世界に対する明らかな過ちに対する茶化しが混ざっているために、全部がパロディであるととられてしまっているのかもしれないが、それは表層的なみかたであろう。
(後者も単なるお笑いが目的ではなく、笑うことで客観視し、バカを浮き彫りにするということなのだが)

そんなわけで、読み応えのある科学書籍となっているわけだが、ただ受賞の対象となった論文内容などは比較的さらっと書き流されていたりして、少々悲しかった。やはり論文自体も読んでみたいと思ってしまうので、抄録くらいはしてほしかったかな。

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