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2006年2月22日 (水)

リアルワールド

読んで感じたのは「普通」ということについてだった。登場する少年少女は誰もが普通の少女なのだ、ということだ。ここでいう普通とは、よくニュースなどで用いられる「ごく普通の少女がなぜ・・」というような意味ではない。むしろ「普通の人などいない」という意味の普通に近い。

よく「誰もが主人公のドラマを生きている」という手垢のついた表現を使って、だから「普通の人なんていないんだよ」と説明する。しかしそれは逆説的に、だからこそどのようにイレギュラーな人間であっても、それぞれの個性をもった人間であっても、やはり「普通でしかない」なのだ。考えや行動や生き方が違うのは当然でそれも含めて普通。つまりはそのようなことだ。

まあ、途中テンションあがりすぎて軍人化する少年については、そりゃヘンだろと思ったが、それも普通なのかもと思う。そしてそんな状況で身体を交わしてしまう短絡さもまた普通なのだ。きっと。表面のゆるい関係と内面のクールな対人分析、そのディスコミュニケーションぶり。それが「今」のリアルワールドなのだろう。

そしてそんなリアルは自分にとってはあまり好ましいセカイとは思えない。

とそういうことを考えさせられた本だった。

リアルワールド Book リアルワールド

著者:桐野 夏生
販売元:集英社
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