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2006年2月27日 (月)

永遠のフローズンチョコレート

連続殺人鬼の少女と不死身の少女と根暗少年の三角関係の物語。っていうからどんな突拍子もない話かと思いきや、読んでビックリ。そこに描かれる現象は、扇情的(結構本気でコーフン?)で、猟奇的(結構本気でザンギャク?)なのに、叙情的(すごくナイーブ?)。生きていくことに対する悩みや痛みについて真摯に向き合っている直球の物語だった。正直、純文学だと思った。

自分が気に入ってしまった一番の理由は、たぶん語り口の上手さなのだろう。自分が好ましい、上手いと常日ごろ思っている作話技術なのだ。つまりは、ライトノベル的なチャカついた口調ではなく、さりとて堅苦しくかしこまらずの自然な書きぶり。特に上手いなぁと思ったのは会話の文で、さらりと今風のリアリティを感じる文になっている。当然ながらキャラクターにあわせた書き分けもしていて、正直嫉妬する。まあそのくらい書けて当然だよ、と嘯いてみてもいいのだが、ライトノベルにおいては出色でしょうよ。
反面、地の文に2005年近辺の現代風俗を具体的に取り入れる(初期のSキングのような)ことでリアリティと時代性を織り込む手法は、後々風化した時にきついので、個人的にはあまり好きではないのだが、この作品にとっては似つかわしい。

途中で、ブギーポップが出てくるのには笑った。出版元違うじゃん。でもそんな他のライトノベルの引用が、実和の不死の設定に対するエクスキューズとして(それが真実ではないにせよ)機能していたりするのには驚いた。ラノベ一般の設定が客観的にみればあまりにも陳腐で、でも構造論として相似であるという有様には(一枚だけ)眼から鱗が落ちた。

ともあれそこに描かれた悩みや痛みは自分にとっては非常にシンパシーを感じるもので、かくも生きていくことの難しさを共感する。というわけで、自分の中では傑作。

たぶん、作者扇智史は(文中でも舞城王太郎に関する微妙な引用をしているが)、そのうち「阿修羅ガール」みたいな方向性でもって純文学界に行ってしまいそうな気がする。そしてそれはちょっとみてみたいところでもある。

永遠のフローズンチョコレート Book 永遠のフローズンチョコレート

著者:扇 智史
販売元:エンターブレイン
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さくらの境(2)

竹本泉は相変わらず。それ以上何を語れというのでしょうか?

といいつつ、かなり、とても、非常に、気に入っているシリーズなのですが、その理由はズバリ「ささちゃんとふたちゃんのライトな百合関係」であり「猫満載」の2点につきる。ちゅーかそれ以外に何もないってのが本当のところ、か。話なんてあって無きが如しだからねぇ。
季節ネタを絡めつつ道ならぬ(?)ラブラブ関係がだらだらと続くだけ。そんなぼんやりしたストーリー展開は、まさに『竹本マンガの真髄(笑)』ではあるのだが、それを容認できるか否かが竹本にハマルかどうかの分かれ目なのだろう。ちなみに自分は超肯定派です。じゃなきゃ買ってないか。

あえてつっこむとするなら、ふたりのラブっぷりが世間一般に公認になってしまっているのは、ちょっと違うかなって思う。隠そうとして隠しきれずあらぬ噂だけが一人歩きする微妙な空気感のほうが好きなんだけどな。まわりのみんなが暖かい眼で見守っちゃ遺憾ですよ、と。ね。

どこまでこんな調子で話が続くのかわからんが(いや多分永遠にこんな感じなんだろうけれど)、最後に本当に本当の『関係』になっちゃったら、竹本新機軸で面白いだろうなぁ。ありえないけれどね。

あと、ふたちゃんに一言。ノンポリはノンポリティカルの略ですから。

さくらの境 2巻 (2) Book さくらの境 2巻 (2)

著者:竹本 泉
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さくらの境 1巻 (1) Book さくらの境 1巻 (1)

著者:竹本 泉
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2006年2月26日 (日)

ころころころもちゃん

萌え! これはよかった。暴走するバカバカしいギャグ。ハイテンションで押しきろうとする強引な笑い。ネタとしては軽いんだけど4コマ形式にはファインフィットしているのだと思う。学園モノできちんと時間が経過するというあずまんがスタイルを導入してキレイにまとまっているしね。

コスプレ好き(特に着ぐるみ系がいい)といってもアニメやゲームじゃないところが自分のコスプレ感にマッチしているのもいい感じ。適度に色気があるのもグーだ(ちなみに読んでいて気づいたのだけど、自分の感じる色気イコールくびれ表現なのかもしらん。まあ、そんな己の嗜好を告白してもしかたないか)。

まあ足の描き方はやっぱり違和感があるけれど、勢いがある絵って見ていて気持ちいいねぇ。

Book ころころころもちゃん

著者:むっく
販売元:メディアワークス
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ノエイン(1)

アニメが佳品で気に入っており、つい購入してみた。元々二次成果物は縮小再生産になることが多く、あまり手を出さないようにしているのだが、なんとなくつい。。。

で、ああ、やっぱり。
アニメノベライズの好ましくない要素が出てしまったようだ。つまり、シナリオを生かそうとするあまり、小説という表現形式には合わない科白まわしが入り込んでしまったり、不要なコメディパートが入り込んで全体としての流れを止めてしまったり、ということだ。アニメという半ば強制的に話が進む表現形式においては、そのような科白やエピソードを導入することで流れに緩急をつけるのはアリなのだが、小説では浮いてしまうような気がするのだよね。だからノベライズするには、再構築を綿密に計画しないと、原作を知らない人にはわかりにくく、知っている人にとっては中途半端にシナリオを読まされている感じになってしまう、と思うのだ。

もっともライトノベルの文章術って、アニメの構成に近いものなので、あまり目くじら立てちゃいけないのか。

Book ノエイン(1)

著者:浅川 美也
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2006年2月25日 (土)

ねこみの暮らし

好みの問題といってしまえばそれまでだが、いまひとつ自分の萌えゴコロとはフィットしないのだった。なんか小ッ恥ずかしいんだよね、読んでいて。たぶん他のマンガも同様に恥ずかしい内容なのだけれど、それをねじ伏せて引き寄せる求心力があって成立している、というのが萌え系ギャグマンガなのではなかろうか。その求心力とはズバリ! いやらし魂ではなかろうか、と。

まあいったいナニを云っているのかとお思いでしょうが、要するに、だ。ありていに云えば絵柄に色気がないってことですな。そりゃ小学3年生に色気は不要(ちゅーかあったら困る)だが、メイドな大人(しかもドジッ娘にして巨乳)に萌え的色気が微塵も感じされないのはいかがなものか。たぶん絵柄が記号化されすぎていて生々しさがないせいだ、と。いや、それが作風なのは重々承知ではあるが。まあ、だから好みの問題ということ。基本的に潔い走りっぷりの筆使いは嫌いじゃないんだけどねぇ。

ストーリーについては、まあそこそこですかね。なんか設定のわりにはえらく健全でこれも実は恥ずかしさに加担しているんだけど、これまた好みの問題。

というわけで全て好みの問題というキーワードで解決してしまっているが、好きなヒトにはタマランのだろうと思う。自分はオトナの女性のほうが萌えシロ強いので、しかも眼鏡っ娘萌えなので、メイドのナニー一本推しで。こんなコメントでいいですか?(誰に訊いているんだか。。。)

あ、もしかしたら微妙な違和感の理由は靴が手塚系だからかも!

ねこみの暮らし Book ねこみの暮らし

著者:むっく
販売元:メディアワークス
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2006年2月23日 (木)

わくらば日記

いまさら説明しても皆知っているとは思いますが、ノスタルジックな微超自然物語でした。一応ミステリー的な味付けがなされているが、基本的にはあの昭和の時代の市井の人々の(のが多いな)人生をやさしい目線で描いている。しかし、やさしいが故に哀しい。そういう物語であった。ややもすればお涙頂戴的になりがちではあるが、程よく抑制が効いているせいか読後感は重くない。連作長編という形式なのであまり深く掘り下げない構成のせいかもしれない。それで正解だったんじゃないかろうかと思う。

大作傑作ではないとは思うが、話題になるのも判る。読んでよかった。味わい深い作品であった。

魅力的な話なので続きが読みたいという気持ちもあるのだけれど(このあとに待ち受けている哀しみがわかっているだけに)この1冊で完結として、これからの物語はこの本の余韻で銘々が想像するだけでもいいのではないか。と思うところもある。読者なんて勝手だね(というか自分が、か)。

ところで、よくよく考えると、語り手である和歌子の年齢だが、還暦過ぎくらいだよね? 文章上ではえらい老婆(80歳くらい?)のようなイメージだけど、今時のお年寄りってもっと今っぽくて、あつかましいくらいに元気な印象があるんだけどね。

わくらば日記 Book わくらば日記

著者:朱川 湊人
販売元:角川書店
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魔法鍵師カルナの冒険(4)

作者自身あとがきに書いているけれど相当に駆け足の展開で、そんなに早く進まなくてもいいのにとは思った。何故にそこまで焦ったのかよくわからない。しかし、このくらいのスケールの話としては4巻で完結させるというのがちょうどいいボリュームなのかもしれない。
少なくとも、これだけは云えるのだが、魔法鍵師というかなり面白い設定は最後まで魅力的だったなぁ。鍵開けとはということに対するエクスキューズが終始一貫しており設定にブレがない。しかもその設定自体が主人公カルナと師匠ミラとの関係性のキーになっているわけで、基礎設定とストーリー構成が上手くかみあっていたのかな、と感じた。まあ、粗いっちゃぁ粗いんだけど、ね。けしてそれが足を引っ張ってはいない。

んが。
不満もそれと同じくらいあるのだ。例えば、カルナとスターリングとの関係についても無理矢理恋愛模様を導入しなくても成立する必要があったのだろうか。わざわざ二人の関係の成就をクライマックスにした理由がわからん。むしろ師弟愛と主人公の成長をメインとするべきではなかったのか?

もうひとつは、作文力、というか言葉の選びかた。安直な英語によるテクニカルターム(例えば「ファイやアロー」とか「ロストテクノロジー」とか)ってすごくゲーム用語っぽいし、それは自分としては非常に稚拙なものとして映るのだ。古代遺跡のセキュリティインターフェイスのスマゴリンの科白回しのチャカつき加減も雰囲気ぶち壊し。せっかく筋のいいアイディアと全体に流れるエピカルな雰囲気は出せているのに、その安っぽい言葉のチョイスがぶち壊していると思う。実に勿体ない。

ともあれ、4巻にて完結。ダラダラ続けるのではなく語るべきことを語ったらおしまいという潔さはよい。回収しきれていない伏線もないわけではないが、とりあえず大団円だ。

次回作もとりえず期待はしたい。

Book 魔法鍵師カルナの冒険(4)

著者:月見 草平
販売元:メディアファクトリー
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魔法鍵師カルナの冒険 (3) Book 魔法鍵師カルナの冒険 (3)

著者:月見 草平
販売元:メディアファクトリ-
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魔法鍵師(ロックスミス)カルナの冒険〈2〉銀髪の少年鍵師 Book 魔法鍵師(ロックスミス)カルナの冒険〈2〉銀髪の少年鍵師

著者:月見 草平
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魔法鍵師(ロックスミス)カルナの冒険 Book 魔法鍵師(ロックスミス)カルナの冒険

著者:月見 草平
販売元:メディアファクトリー
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2006年2月22日 (水)

リアルワールド

読んで感じたのは「普通」ということについてだった。登場する少年少女は誰もが普通の少女なのだ、ということだ。ここでいう普通とは、よくニュースなどで用いられる「ごく普通の少女がなぜ・・」というような意味ではない。むしろ「普通の人などいない」という意味の普通に近い。

よく「誰もが主人公のドラマを生きている」という手垢のついた表現を使って、だから「普通の人なんていないんだよ」と説明する。しかしそれは逆説的に、だからこそどのようにイレギュラーな人間であっても、それぞれの個性をもった人間であっても、やはり「普通でしかない」なのだ。考えや行動や生き方が違うのは当然でそれも含めて普通。つまりはそのようなことだ。

まあ、途中テンションあがりすぎて軍人化する少年については、そりゃヘンだろと思ったが、それも普通なのかもと思う。そしてそんな状況で身体を交わしてしまう短絡さもまた普通なのだ。きっと。表面のゆるい関係と内面のクールな対人分析、そのディスコミュニケーションぶり。それが「今」のリアルワールドなのだろう。

そしてそんなリアルは自分にとってはあまり好ましいセカイとは思えない。

とそういうことを考えさせられた本だった。

リアルワールド Book リアルワールド

著者:桐野 夏生
販売元:集英社
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2006年2月20日 (月)

<旭山動物園>革命

旭山動物園の改革の内容は別のところで学んでいたので、概ねのところは知っていたりはしたのだが、アップトウデイトされた「現在」の話に引き込まれつつ一気に読んだ。昨年、実際に旭山動物園に訪園しているので、特にリアリティを感じたことをあったせいだろう。ま、半分は仕事目線で読んでいたので、前半の改革事例や組織論、予算論の部分には共感したり感心したりする点が多かったのだが、反面、後半の動物園の役割と種の保存についての論には少々首をかしげるところもないわけではなく、いまひとつ読んで単純に面白いと云いきる事はできなかった。

ちなみにどこが引っかかったのかというと、動物園の持つ野生動物保護機能、環境教育普及機能などについてはまったくそのとおりだと思うのだが、種の保存のためには手段を選ばなくてもいいのか? という部分。(グラックバス問題に代表されるような)人間のエゴによる生態系崩壊は回避すべきだが、環境は変化するものだからだ。

ともあれ、そのような様々な問題提起をしているという点において読んでほしい一冊だろう。

それはそれとして、とりあえずまた行ってみたくなったのだがね。ペンギンの散歩とか観てみたいですからね、やっぱり。

「旭山動物園」革命―夢を実現した復活プロジェクト Book 「旭山動物園」革命―夢を実現した復活プロジェクト

著者:小菅 正夫
販売元:角川書店
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狼と香辛料

具体的にどこがと指摘できないのだが、どことなくギクシャクしているような感じがある。交渉シーンはいいのだが、そのからくり自体はあまり上手く説明しきれていない気がする。そしてなにより、主人公とヒロインの関係の変化(迷惑から信頼、そして愛情へ。という定番のそれだ)がこの作品の一番の萌えシロになるべき部分なのだが、それが今ひとつストレートに伝わってこないせいかもしれない。別に文章がヘタというわけでもないのだけれどね。むしろチャカついていないし、理路整然としているし、整っていると思うのだが。まあ若書きなのだろう。

だが。
発想は実にいい。凡百の「剣と魔法だからファンタジーだ」的な安直さではなく、オリジナルの世界(この作品の場合は若き商人の頭脳戦)を描き出そうとしていてそれはかなり成功していると思う。でもって、その駆け引きの妙が縦糸とするならば、上述のふたりの人間模様が(いっぽうは「人間」じゃないけどね)横糸となって、話が展開していく。いいんじゃないですか? 全体を包む雰囲気も叙情的で適度にウェルメイドな仕上がりになっているし。

あえて重箱の隅をつつくとすれば、ヒロインがいかにも「萌えキャラ」ねらいってことがイヤラシイことか? 本来ならあと5才くらい上の年齢設定のほうが話としていいように思うのだが。もっとも、あまり適正年齢に設定しちゃうとライトノベル的には刺激が過剰になってしまうのか。

とりあえず次回(続編ありとみた)にも期待のバディストーリー&旅物語でした。

狼と香辛料 Book 狼と香辛料

著者:支倉 凍砂
販売元:メディアワークス
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2006年2月19日 (日)

熊の場所

舞城王太郎は、いったいどこに行こうとしているのか判らないけれどとりあえず子どもやらなんやらの成長痛的な不安をウワーッとなりながら書いているので、セカイ系なんていわれちゃってるけど、それはそれでいいんじゃないって思いながら、でも違っげーよとひねくれてみたりする(のは読んでいるオレ?)ので、純文学なんだかエンタテイメントなんだか。っていうかそんなジャンルわけって必要?いやいや読んでくださってそれだけで感謝感謝なのだ。そうか?

自分としては、あまりにも自傷的な少年少女たちが痛々しくてちょっと読むのがつらい。でも面白い。今そこにある(ささやかな?)希望がある書き下ろし「ピコーン!」がよかったな。正義はないけど性技はあるぞよ、みたいな(ダジャレかよっ!)。いや、どんなにお下劣下品でもしっかりと見据えればそこに世界の真理はあるのだよ。ね!

というわけでまたまた文庫落ち後の初読で「いまさらぁ~」な感想でした。

熊の場所 Book 熊の場所

著者:舞城 王太郎
販売元:講談社
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2006年2月17日 (金)

カペタ(10)

曽田正人のストーリーフォーマットって基本的に「友情・努力・勝負・好敵手・成長」といったスポ根マンガの王道なのだね。なのに、なぜかドロ臭さや野暮ったさがあまりない。というのは、おそらく主人公が異能であるせいだろう。才能があって努力によって才能を育て開花させていくのではなく、はじめから常人とは異なる才能であるが故に世界とは折合いがつかない苦悩。そういう天才の物語なのだ。(そのことについては作者自身も言及しており、かなり意識的に描かれているわけね)

さて、10巻目。いよいよフォーミュラカーですよ。カペタは相変わらず1周ごとに進化していくのですよ。熱いなぁ。特におとっつぁんが熱いよな。でもって小憎らしい引き。もう11巻が待ち遠しい。

capeta(カペタ) 10 (10) Book capeta(カペタ) 10 (10)

著者:曽田 正人
販売元:講談社
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2006年2月16日 (木)

イグ・ノーベル賞

あくまもでも実学であって嘘学ではないのだが、誰も思いつかないような(思いついても普通はテーマになんかしない)仮説に対する論理的なアプローチという部分がシンパシーを感じずにはいられない。

科学する心の本質とは、興味を持ったことに対する探究心であって、何かの役に立つために研究するというものではない。つまり「面白いと思う気持ち」が大事ってことなのだ。だから、その命題がどんなにおちゃらけてたとしても、仮説・実験・検証という論理的なアプローチを行い、結論を出しているのであれば、それは優れた研究であるといってよいのだ。

イグノーベル賞は、一般的にはバカバカしい研究に対してのツッコミであるように思われているようだがそれはまったくの間違いで、純粋な科学する心に対する称賛であり、遊び心なのだ。おそらく誤解されるひとつとして、疑似科学や世界に対する明らかな過ちに対する茶化しが混ざっているために、全部がパロディであるととられてしまっているのかもしれないが、それは表層的なみかたであろう。
(後者も単なるお笑いが目的ではなく、笑うことで客観視し、バカを浮き彫りにするということなのだが)

そんなわけで、読み応えのある科学書籍となっているわけだが、ただ受賞の対象となった論文内容などは比較的さらっと書き流されていたりして、少々悲しかった。やはり論文自体も読んでみたいと思ってしまうので、抄録くらいはしてほしかったかな。

イグ・ノーベル賞 大真面目で奇妙キテレツな研究に拍手! Book イグ・ノーベル賞 大真面目で奇妙キテレツな研究に拍手!

著者:マーク・エイブラハムズ
販売元:阪急コミュニケーションズ
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もっと!イグ・ノーベル賞 Book もっと!イグ・ノーベル賞

著者:マーク・エイブラハムズ
販売元:ランダムハウス講談社
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2006年2月15日 (水)

陽気なギャングが地球を回す

今更絶賛されてもなぁという感じではあろうが、初読なので改めて語ります。面白いものは面白い! 伊坂幸太郎はすごい!

全編にあふれるアフォリズム(という名の饒舌薀蓄)、軽妙にして巧妙なピカレスクロマン、そしてコンゲーム。冒頭から結末まで計算されつくした構成に脱帽である。特に怒涛のクライマックス。様々な伏線、というかただの挿話、無駄話と思っていたネタを「ここでこう使うのか!」という驚き。いやぁ「ものがたる」ということを堪能いたしましたよ。

しかしなんだね。解説に書いてあったが、超自然的なネタ(例:カカシ)がアンチリアルだから小説としてよくないなんていう低次元の議論があったんだね。なんか読解力がない人って評論家の中にもいるんだねぇ。

陽気なギャングが地球を回す Book 陽気なギャングが地球を回す

著者:伊坂 幸太郎
販売元:祥伝社
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宇宙旅行ハンドブック

記載記事はすべて現実であり、厳密にいえば嘘学ではない。しかし来るべき至近未来をまさに現在と仮定しての旅行ガイド兼マニュアルという設定は嘘学たり得ると思う次第である。文体もガイドブック調の体裁を意識的に固持しており、そこにおかしみを感じる。「旅行に際して用意すべきもの」の項や「面接に合格するための方法」の項など、なるほどと思いつつ笑ってしまったよ。

惜しむらくは画像的な情報が極端に少ないことでガイドブックとしてはやはりもっとビジュアル的だったらよかったのにと思う(特に次世代宇宙船はもっと詳しく記載されているとよかったかなぁ)。そういう意味において、冒頭の宇宙に行ったら観ることのできる風景の口絵はすごくドキドキした。絵の力ってやはりすごい。

あと、素直な気持ちとして無重力体験はしてみたくなったなぁ。数百万か。宝くじが当たれば。。。

追記として。本の内容とは関係無いけれど、帯の紹介文で「すべての団塊の世代」ってあるけれど、その世代ってこの本が目指すところの遊び心を判らないツマラナイヒトが大半だと思うんだけどね。

宇宙旅行ハンドブック Book 宇宙旅行ハンドブック

著者:エリック・アンダーソン
販売元:文藝春秋
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2006年2月12日 (日)

ロマンティック食堂

尾玉なみえは相変わらず壊れちまってるよ。暴走しちまってるよ。シモネタも許してつかーさい。エンガチョ切ってください。ルルル~

自分的には、マコちゃんのリップシリーズが好きでねぇ。なまじ連載しちゃうと擦りきれるんで間欠泉のように登場してくれるとちょうどいいなぁ。たまに会えるからこそ燃え上がる、嗚呼、好きなヒト。

あと、書下ろしのポエムページはサイコーですね。特に「にせボイン」は涙なくしては読めへん。

ロマンティック食堂―尾玉なみえ短編集1 Book ロマンティック食堂―尾玉なみえ短編集1

著者:尾玉 なみえ
販売元:集英社
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ミュウ WAKANA

酒井若菜はよい。よい女優である。「ホーム&アウェイ」や「恋の門」のような思いきり壊れた役から、「ホームドラマ!」のようにシリアスな役までこなす、実にふりはばの広い演技派で、自分はかなり信頼している役者である。だからもっといろんな映画に出演していって欲しいと思う。

(一応、誤解のないように云い添えておくと、映画は役者を観に行くのではなく「映画」を観に行くものなので、誰々が出演しているから観に行くというようなことはしないのです。でも、だからこそ観たい映画に好きな役者(というのは巧くて魅力のある役者ってことで、みてくれのみでは好き嫌いの対象にはしないぞ)が出てほしいな。と思うわけです)

で。そんな女優「酒井若菜」をどう写真に描き出したのかというのがみたかったわけですよ。近い将来、人を被写体とした写真を撮ってみようという野望もあり、その勉強も兼ねて。ね。

この写真集、素の姿、普段着の姿というコンセプト。海外のホテルでのプライベートフォトというわけだ。もっともそれはあくまでも「意図」であって、本当のプライベートフォトではないわけだが、やはり女優は女優であった。「私」を見事に演じている女優がそこにいた。いかにもグラビアアイドルっぽい写真ではないわけですよ。アイドルなら(比喩ではなく)素顔をそのまま写させたりはしないでしょうからね。

実際のところ、肌着的な衣装だったりして即物的なときめき感はトーゼンあるわけだが、それ以上にコンセプチュアルな写真集として参考になったなぁ。(リーズナブルだったし、ね)

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2006年2月11日 (土)

戦う司書と雷の愚者

よかった。面白かった。ただし第1作とは違う質の面白さだった。

まず物語の構造として、事象を追う物語(何が起こったのか)ではなく人物を追う物語(彼は何をしたのか)になっている。そのためエモーショナルな深度は増しているが、センスオブワンダーな広がりは減ってしまっているのだ。もちろんどちらも作法としてはアリだし、前作がネタ重視だったので今回は人を中心として、というところなのかもしれない。ただ、せっかく面白い世界を構築したのだから、そっちで責めてほしかったかなぁ。

もうひとつの違いは、超人戦闘小説になっているということ。特殊な能力を持つ者達が戦う姿自体を描く。最近のライトノベルの1ジャンルではあるし、けして嫌いなジャンルではない(しかもかなり面白く描けている)。ただ、結局それはキャラクターをパラメーターに置き換えることに他ならず、ゲームの小説化なんだよね。小説という自由度の高い表現手法を用いているのに、(パロディでもないのに)あえてキャラをデジタルな設定で拘束する必要はないと思うのだが。

第1作で創りだした独創的な世界を創を今回は活用せず、傍流の設定である魔術による超人化のみに焦点をあてたことで、このような話になるのは必然だったのかもしれない。魔術の獲得に対するエクスキューズは「世界の理を書き換える」というオリジナルな設定でこれは非常に魅力的なのだが、それがどうストーリーに結びついていくかというときに、超人同士の戦闘という「平凡」に従属してしまっているのは、かなり勿体ないと思った。

もしかすると、これらすべての違いの理由が、はじめはしっかりと本気のファンタジー小説だったものが「ライトノベルはもっとゲームっぽい感じじゃないと受けないから」とかそんな感じで編集者のチェックが入っているのかも? だとしたら読者をバカにしてる話だ。

ネガティブな感想をつい書いてしまったが、実際には十分楽しめたわけですよ。多分シリーズとして続くとも思うわけですよ。もちろん今作のような話があってもいい。でもそればっかりになってしまうと、せっかくの独創的センスをスポイルしちゃうような気がして、それは避けてほしいなぁ、とそう願うわけです。

戦う司書と雷の愚者 Book 戦う司書と雷の愚者

著者:山形 石雄
販売元:集英社
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2006年2月10日 (金)

女番社長レナ

とりあえず猫好きにはたまらにゃい内容じゃないか? もうページをめくるごとに萌えまくり。自分も社長にいたぶられてぇー!

一番グッときたのは、猫の猫耳コスプレ。愛くるしいっちゅーか、バカっぽいっちゅーか、アレは見たらヤラレルだろう!? くうう。タマランですにゃ。

ところで、読んでいてあらためて思ったのだが、写真によるマンガのスタイルってやはりどうしても違和感があるわな。マンガとは、単にコマを割って紙芝居的に描きこんだものの連なりではなく、コマごとに情報の質と量を調整して、絵自体に話等と不可分の記号化をはかっているわけだ。例えば、斜線や絵文字なんかはその代表例だが、その他、必要な絵以外の記入の省略や(カメラ的に云うと)画角や被写界深度の調節など、マンガに必要以上の情報を入れず、かつ必要ある部分を強調する手段を過去からの積み重ねとして技法として確立し、それをコマ化している、と。
それに対して写真マンガは、全情報がそのまま写されて(つまりコマの中に描かれてしまって)かえってそれが情報過多のノイズとなってしまう。結果、マンガとして、話しを追う上で邪魔になってしまっている。

うーん、うまくまとめられなかったが、なんとなく云いたかった事は察してください。

と、それは一般論(?)。そんな小難しい事はおいといて、とにかく社長に萌えるのにゃ! これだけでオッケーっす。

Book 女番社長レナ

著者:URA EVO
販売元:ペットライフ社
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2006年2月 9日 (木)

戦う司書と恋する爆弾

一応、前嶋重機イラストに対する表紙買い的なところもあったのだが、すまぬ。十分に面白かったじゃないか! オリジナルの世界観、それに見合うガジェット設定、ヘンに情に流されないストーリー展開、伏線の張りこみの妙、チャカついていない筆力、言葉の選択が上手い。要するにリーダビリティに溢れた作品だったってことだ。文中、三毛ボンって出てきて「うひゃ」と思ったが、実はそれが後になって意味があることが判明するあたり「やられた」と思いました。

魔法と科学が混在した世界という設定を今回は完全には生かしきっておらず、そこは少々勿体なかったが、そんなことは吹き飛ぶくらいに「武装司書」と「本」という基本設定が実に魅力的なのである。各人の能力や「追憶の戦器」といったジョジョ的超人設定もでしゃばらない程度に上手く作用しているし、目配りがきいている。

まあ設定だけがよくても、物語としてダメなら意味ナシなんだけど、それも杞憂で、まさか時間軸を越えたボーイミーツガール、つまり時間テーマの王道だったとは! クライマックスになって明かされる時空を越えた愛の姿! なおかつ、ハッピーエンドではなくほろ苦くて哀しい物語でもあるにもかかわらず、どこかカタルシスがある(純愛の成就があるからか?)のだなぁ。

というわけでお薦めです。

戦う司書と恋する爆弾 Book 戦う司書と恋する爆弾

著者:山形 石雄
販売元:集英社
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2006年2月 7日 (火)

アイドル地獄変

尾玉なみえが好きだ! チョーくだらなくて、チョー下品。そんな尾玉を自分は尊敬しちょります。どこが好きかっていうと、まずは小学生レベルの笑いのセンス。いや、もうマジで。実際、オトナのくせにあそこまで子どもっぽい発想が(意識的に、意図的に)できるのはすごいと思うのだ。あの発想は天然子どもには実はムリだろう。
もうひとつはバッチコーイ的なお下劣っぷり。もうサイコーです。もう、これは本当にカミングアウトしっぱななしの自分ですが、うん○ち○こネタって大好きなんだよぉーっ! 自分が子どもだからーっ! 回を追うごとに主人公海がヘンタイでエスになっていくとともに、海と紅の力関係の変化がおかしかったっす。

まあ、そんなこんなで応援しているわけですが、そんな奇特な方も少なくないとは思ーちょりますが、どうなんですかね。自分だけか。やっぱ? 今まで、そしてこれからも永遠のドマイナーなんだとは思うけれど、とりあえず低空飛行のまま墜落はしないでいてください(ムリか?)

アイドル地獄変 Book アイドル地獄変

著者:尾玉 なみえ
販売元:集英社
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2006年2月 6日 (月)

ウェイズ事件簿

よく言えば過不足なく安定感のある話、有体に言えばよくある話。である。出来が悪いというわけではないのだが、どこかで読んだことのあるような印象がある。いや、どこかで遊んだことのある話、のほうが感覚的には近しいな。要するに思いきりベタなRPGファンタジーなのである。自分としてはタイトルから勝手に「ファンタジー設定で、推理探偵モノかしら」と想像してたので、ちょっと肩透かしを食らった感じ。

でもって、このジャンルに対しての満足閾値はモーレツに高いのよ、オレ。だから重箱の隅を突くようにチェックすると、だね。

その1 登場人物の名前に必ずラ行音が入るのはいかにもでダサい(=ネーミングには世界観が反映するべき。単なるファンタジーっぽいからという雰囲気でつけるとこうなる)。

その2 科白まわしがいかにもアニメやゲームのそれでリアリティがない(=現実世界ではあんなにひとり言をいう人間はいない。文章力が甘い)。

その3 エルフやドワーフをなんのてらいもなく登場させるのは安直(=ファンタジーは自由な世界の構築こそが真骨頂であるべき。既存の設定を流用するのはそれを放棄している)。

もっといろいろあるが、とりあえず典型的なパターンとして3つあげてみた。まあ、これはこの話だけじゃなくてライトノベルにおけるファンタジー全般に云える構造欠陥ではあるのだが。

自分はファンタジーはオリジナルの世界、独創的な世界観を提示していくものであるべしという意見の持ち主なので、不必要に厳しい見かたをしているでしょ、と云われればそのとおり。別の見かたをすればヒロイックファンタジー小説の王道ではあるわけで、そこらへんは好みの問題であり、人それぞれなんだろうな、とは思います。

ウェイズ事件簿 暗き影は陽の下に Book ウェイズ事件簿 暗き影は陽の下に

著者:神代 創
販売元:竹書房
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2006年2月 5日 (日)

DEATH NOTE(10)

ニア編に入ってから、なんか自家中毒に陥っているというか、策に溺れているというか、無理矢理小難しい設定にして作者が振り回されてしまっているような感じがあったのだが、その原因が本巻でわかった気がする。要するにキラが劣勢で対等な頭脳戦になっていたかったせい、そしてキラが受動であったせい、ということのようだ。日本に帰ってきてから話が動き出したからね。キラは攻めの姿勢じゃないといけないってことですかね。

ところで、文中「ニヤやメロの・・・」っていう科白ですが、ぱっとみ「ニャロメ・・・」と読めてしまい、ちょっと自分を笑ってしまったとです。

Book DEATH NOTE 10 (10)

著者:大場 つぐみ
販売元:集英社
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2006年2月 4日 (土)

神栖麗奈は此処に散る

「・・・此処にいる」の前日譚、神栖麗奈という「存在」の誕生譚としての続編。トリッキー(でもないか?)な構成であることと、多分に概念的な説明で展開されていくので、具体的に「じゃあどういうことなのよ」という部分は、わかりにくいかもしれない。自意識過剰な登場人物っぷりも相変わらずで、これがこの作家の作風なのだろうか? まあ、嫌いではないけどね。

個人的にはもう少し形而上的な部分を下位概念に置き換えて判りやすくてもいいんじゃないかとは思う。イデア論は(個人的にも好きだ)シンプルで判りやすい概念なだけに、もっと汎神論と単一神論との対比とか、天使や悪魔といった概念との比較なともあったほうがよかったかな、とも思う。でもそれじゃライトノベル的なモノから逸脱してしまうか。

Book 神栖麗奈は此処に散る

著者:御影 瑛路
販売元:メディアワークス
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2006年2月 1日 (水)

神栖麗奈は此処にいる

自意識過剰文体によるセカイ系叙述ホラー。と自分は勝手にジャンルを定義し、かつカテゴライズした。が、規定すること自体が、ジャンルに縛られない曖昧模糊としたモノから、単なる“ホラー”のひとつに貶めている。それはけして求められたことではない。ないのだ。
(と自意識過剰文体にチャレンジしてみたがけっこう難しいなぁ)

バリバリに新機軸というわけではないが、文章力と構成力があるせいか、話として(飛躍はあるが)破綻はなく、読ませる。面白いと思う。まあ、自殺者続出のティーン向けノベルというものが健全か?という気持ちはないわけではないが、確信犯のアンハッピーエンドにはちょっとグッときますな。登場人物があまりにも皆痛々しすぎるってのは時代の空気なんだろうか。自分もそう思っているだけに、シンパシーはあるんだけれど、冷静に考えると考えもんか。まいいか。

ライトノベルのくせに人物イラスト一切なし!の腹のくくり方も潔い。もっともどんな絵をつけろっていうんだよ、ってところなんだろうな。

とりあえず続編も読む気にはなっている。

Book 神栖麗奈は此処にいる

著者:御影 瑛路
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