南極1号伝説 ダッチワイフからラブドールまで-特殊用途愛玩人形の戦後史
ラブドールにはかなり前より興味があったのだが、やはりアダルトグッズとして位置づけられており、なかなかに観たり触れたりする機会はないわけだ。第一、情報もないし(もっとも最近はネットでそれなりに知り得るが玉石混合の情報を取捨選択していくのはけっこう面倒だし)、己の探究心を満足させることがなかなかにできていなかったのである。
あ、とりあえず見苦しい言い訳をしておくが別に欲しいとかいうわけではなく、純粋に(いろんな意味で)どんなもんかなぁ、という興味である。
これまでも雑誌やTVなどで、たまに取り上げられることもあったが、それは人形そのものというよりは、そのコレクター(の奇行)に視点があたっていることがほとんどで、それはそれで面白いのだけれど、結局オタクバッシング的文脈であり、それはちょっと違うだろ、と思っていたわけだ。
というわけで、本作は、より人形そのものに対して焦点を絞り込んでおり、ダッチワイフ史の概括や、製作工房のインタビューなど、かなり自分の知的痴的好奇心を満足させてくれた。
ただ、全体的に表層を網羅した分、さらっと流れてしまっている感じもあり、できるならもう少し深いところまでつっこんだ(いや、そういう意味じゃなくて)内容だとより興奮できたのだけれどなぁ、とも思う。
もし続編リポートがあるのなら、現象面だけではなくサイエンス面も補強してもらえると非常にうれしいところである。
南極1号伝説 ダッチワイフからラブドールまで-特殊用途愛玩人形の戦後史
著者:高月 靖 |
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